DX

DXが導くビジネストランスフォーメーション。DX戦略部の創設メンバーに聞くDXの本質。

2021年3月31日

IoT、ビッグデータ、AIそしてDX。デジタルを軸にしたキーワードを目にしない日はなく、その推進の重要性はますます高まっています。ビジネスの現場において、どのような思考が必要か。東京センチュリーで、事業開発や人材育成などの幅広い範囲でDXを推進するべく、DX戦略部の創設メンバーとして奮闘する森島隆弘(もりしまたかひろ)さんと、川口真範(かわぐちまさのり)さんにお話しを伺いました。

デジタル技術の進歩により、 ビジネスのプロダクトアウトからマーケットインが加速

DX戦略部の創設メンバー 森島隆弘さん

DX戦略部の創設メンバー 森島隆弘さん

――DXによって、世の中にどんな変化が起きていますか?

森島さん:作り⼿が⾃分たちの⽅針や得意分野を優先して事業を進めるプロダクトアウトの考え⽅から、市場のニーズにきちんと応えられる事業を展開するマーケットインの発想への転換が進んでいます。デジタル技術の進展によりこの変化が加速し、対応に重きを置く企業が増えてきていると感じています。

川口さん:価値観が多様化し、これまでのモノやサービスが受け入れられなくなってきました。デジタル技術が進歩して個々人に最適化したモノやサービスが提供できるようになったこと、ニーズが把握しやすくなったことで異業種に参入するハードルが下がり競争が激化していることが影響していると思います。

――ニーズに対する正しい理解が求められると。

森島さん:すべての業界が完全にマーケットインに移行しきったというわけではなく、今はあくまで変わろうとしている途中段階。国内産業の中で高いシェアを占める製造業などでは、やはりまだまだプロダクトアウトの考え方が根強いと思います。

川口さん:モノづくりには自信があるもののファイナンスや販路開拓が課題といった話をよく聞きます。

森島さん:DXが役に立つのはまさにこのようなケースで、顧客の潜在的な課題を掘り起こし、個々に最適なソリューションを提示できるよう当社が連携していければと考えています。

DX推進は「ビジネスの創出」と「人材の育成」の両輪

ビジネストランスフォーメーション

――DX戦略部はどんな部署ですか?

森島さん:全社を挙げてDXを推進するために求められる、あらゆる業務を行う部署です。営業面で言えば、新しいビジネスモデルを生み出し顧客により良いサービスを届けるためにはどうすればいいか、日々議論を重ねています。

川口さん:DXに関わる教育制度を充実させたり評価制度を設けたりと、人材育成、体制づくりにも力を入れています。ビジネスの創出と取り組む人材の育成、この両輪があってこそ継続的に取り組むことができると考えています。

――どのようなDX案件の事例が生まれているのでしょうか?

森島さん:清水建設様との協業プロジェクトが動き出しています。これは、デジタル技術を駆使した清水建設様のスマートビルプロジェクトへ参画するというもので、東京センチュリーがサブスクリプション統合プラットフォームを提供し、同プロジェクトに参画する様々なパートナー企業の新規事業創造(DX)を支援するというものです。

川口さん:東京センチュリーグループのニッポンレンタカーサービスでもWEBサイトやアプリからの予約や貸し出し・返却時の利便性向上にむけて、データ分析により配車の最適化やサービスを改善するなど、デジタルの活用が進んでいます。

「DX」は少しずつ身近な言葉に 社内ツールの活用で浸透と定着を果たす

DX戦略部の創設メンバー 川⼝真範さん

DX戦略部の創設メンバー 川⼝真範さん

――DX戦略部ができてから、グループ内にどのような変化が起きていると感じていますか?

森島さん:実際にDX関連の案件にかかわる人が増えてきましたし、経済産業省が企業に求める指針として「デジタルガバナンス・コード」を発表したこともあって、「DX」という言葉自体はよく耳にするようになっているのではないかと思います。

川口さん:ただ、社内への浸透度合いには濃淡があり、ここはDX戦略部として注力していかなければいけない課題の一つです。

――その課題を解決するために取り組んでいることを教えてください。

森島さん:一例として、社内コミュニケーションツールを活用してDX関連のニュースを発信しています。海外の事例も多く取り上げているので、世界の動向を幅広く知るのに役立つはずです。皆さんにチェックしていただき、理解を深め、日々のビジネスのヒントにしてほしいという狙いがあります。

川口さん:日々のニュースなどでもDXの文脈で発信されている情報が増えており、興味のある事柄を深掘りしてもらえるよう、テーマを選択できるような改善案も検討しています。このように取り組みながら最適化していく、トライ&エラーを重ねることも、変化のスピードが速いDX推進において重要だと考えています。

どうすればDXを推進できる?「どんな困りごとが解決できるか」ビジネスの本質そのものがDX推進のカギ

――各個人はDXとどのように向き合えば良いでしょうか?

森島さん:DXは「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略ですが、意味合いとしては「ビジネストランスフォーメーション」ととらえたほうがしっくりくると思います。
目的はビジネスモデルを大胆に変えること。デジタル技術はあくまで手段に過ぎない。目的と手段を正しく見極めることがDX推進の土台になるという気がしています。

打ち合わせ風景

川口さん:特別に難しく考えすぎず、まずはビジネスの原点である「顧客の困りごとを聞く」という姿勢を忘れないことが、DXにつながるのではないでしょうか。
また、今までデジタル化に手がつかなかった、関係ないと思っていた業務にも変革できる可能性があると思いますので、身近なところから見直すこともよいと思います。

DXの推進を通して、業務の効率化やスキル向上のような個人に対してのメリットも十分に期待できます。これからを担う若手社員のためにも、数年先を見越した目線で社会の変化をいちはやく感じ取り、その変化に適応した施策をわかりやすく伝えることで、皆さんと挑戦を続けたいと思います。

森島さん:DX戦略部は部署同士の連携を取り持つ窓口のような役割も担っています。柔軟な発想と鮮度の高い情報を活かして、協業パートナーや顧客からさらに必要とされる事業・サービスを生み出せるよう、DX推進の実績を積み上げてまいります。

※記事の内容、肩書などは掲載当時のものです

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