イノベーション

走り出したDXタスクフォース
━トップに聞く、「変化を創造する」攻めのDXとは?━

2023年11月22日

「自らを変革し、変化を創造する」私たち東京センチュリーは、変化の激しいVUCA時代(※1)を勝ち抜き持続的な成長を実現するために、あるべき姿を掲げています。理想の実現に当たってはTC Transformation(以下、TCX)の4つの柱の一つであるデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)が必要不可欠です。お客さまに、パートナーに、市場に、未来に資する組織であり続けるために、DXタスクフォースを自ら立ち上げた代表取締役社長の馬場 高一さんが思いを語ります。

(※1)VUCA時代:Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を合わせた造語。変化が激しく、先行きが不透明で将来の予測が困難な時代を意味する。

DXは「変化を創造する」ための手段。
トップは現在地をどう認識しているのか?

――2023年5月に公開された「中期経営計画2027」ではTCXが基本方針に掲げられています。DXはどのような位置付けなのでしょうか?

馬場さん(以下、敬称略):新中計では「自らを変革し、変化を創造する」ことをテーマに掲げ、自らを変革しようとする強い意志を「X(Transformation)」に込めて、4つの「X」を総称した「TCX」を基本方針としています。ポートフォリオトランスフォーメーション(以下、PX)とグリーントランスフォーメーション(以下、GX)は事業展開における変革であり、「目的」と言い換えることができます。一方、人材・組織トランスフォーメーション(以下、HRX)とDXは企業活動のあらゆる局面に変革をもたらす「土台」であり「手段」と言えるかもしれません。特にDXは、ただ変化に対応するだけではなく、世の中に先んじて「変化を創造」し、PXとGXを実現するために必要不可欠な基盤となるもの、そのような位置付けです。

TC Transformation
          

――東京センチュリーは2015年度から9年連続でDX銘柄に選定されるなど、これまでもDXを推進してきましたが、現状は決して満足のいくものではないという認識でしょうか?

馬場:はい。まだまだ道半ば。登山に例えれば5合目といったところでしょうか。2024年度末までに、全役職員が足腰を鍛えて7合目まで到達すること、すなわちデジタイゼーション(※2)を完成させることが当面の目標です。その土台ができてこそ、持続可能な体制としての事業判断・経営判断へのデータの有効活用、AIを導入した業務プロセスの効率化やDXにつながり、それがデジタライゼーション(※3)による真の顧客提供価値の向上、ひいては中計で掲げている目標を実現できると考えています。予測が困難な変化が待ち受けるVUCA時代を生き抜くには、目標設定とペース配分が大切です。ゴールから逆算して立ちはだかる壁を想定しながら、「何を」「いつまでに」と具体的な道筋を描くことで多くの人材が活躍できるような環境を整備してまいります。

(※2)デジタイゼーション(Digitization):特定業務の効率化やコスト削減を図るため、アナログの情報をデジタル化してデータを蓄積できる環境を整えるためにデジタル技術を導入する部分的なデジタル化。
(※3)デジタライゼーション(Digitalization):アナログで処理されていたものをデジタル化し、従来にはなかった利便性を生み出す、あるいは業務にデジタル技術を導入し効率化を図る業務プロセス全体のデジタル化。

まだまだ道半ば。登山に例えれば5合目といったところ
          

DXタスクフォースを全社体制で推進。4つの重点テーマを掲げる

――馬場社長が統括するDXタスクフォースについて教えてください。

馬場:DXタスクフォースは事業分野の枠組みを超えて全社的にDXを推進するための取り組みです。4つの重点テーマを設定してそれぞれにワーキンググループをつくり、「目的」「手段」「ゴール」のイメージを共有しながら現場目線の議論を深めています。東京センチュリーの成長曲線をあらためて振り返れば、事業分野ごとに独立してしまっているような側面があることは否めません。しかし、今すでに存在している、あるいはこれから顕在化するであろう社会課題と向き合うには、さらなる一体感が不可欠です。5つの事業分野が個々に持つ強みを損なうことなく、横断的な相乗効果を発揮して新しい可能性を皆で見いだしていこうという意思表示として、DXタスクフォースは私自身が統括する形を取っています。

馬場社長
         

――4つの重点テーマとは?

馬場「顧客提供価値」「DX人材育成」「現場業務改善」「システム置換」の4つです。私たちが描くDX戦略は「攻めのDX」を基本方針とし、対外的な価値向上や社会と環境への貢献といった「顧客提供価値の向上」、DX人材育成と生産性を高めるための組織体制の整備による「社内業務プロセスの生産性向上」といった方向性を示しています。4つの重要テーマはこの「攻めのDX」というゴールを実現するために設定されました。

【DXタスクフォースでの4つの重点テーマ】
【DXタスクフォースでの4つの重点テーマ】

――テーマごとにどのような施策が検討・実施されているのでしょうか?

馬場:一例を挙げれば、「顧客提供価値」においては、事業分野ごとにさらに細分化したワーキンググループをつくりゴール設計を進めています。「現場業務改善」においては、顧客やパートナー企業に最適なソリューションを提供するためのデジタルリテラシーの向上やペーパレス化などのデジタイゼーションを進めています。10月にリリースされた社内AIチャットサービス「TC-ChatAI」もトピックスの一つと言えるでしょう。IT推進部のメンバーが中心の「システム置換」では、デジタルツールの整備や企業のDXを妨げる「2025年の崖」(※)と呼ばれる問題への対応を先行して進めており、すでに完了のめどは立っています。今後は、その基幹システムのグループ会社への展開も視野に入れています。最後に、「DX人材育成」ですが、人事部とDX戦略部による全社員参加型の研修プログラムがすでに動き出しています。(DX人材育成の詳細は同連載の第2回記事で公開予定)

※2025年の崖…経済産業省が公表したレポートに記述されているIT関連の問題提起。既存システムの老朽・肥大・複雑化や人材不足、維持管理費の高騰、IT市場の急速な変化などにより、2025年前後に企業のDX推進を妨げる要因が噴出すると予測されている。

「攻めのDX」で顧客提供価値の最大化を突き詰める

――「攻めのDX」を実現するためには何が求められるのでしょうか?

馬場:重点テーマにも設定している「顧客提供価値」を高めることが大切です。私たちがお客さまに提供できる価値は果たしてどこにあるのでしょうか。リース会社としての機能という点では、今後もモノの提供を通じてお客さまの事業戦略をサポートする役割を果たせると思います。一方で、人々のライフスタイルが目まぐるしく変化する中で、今やモノ売り、コト売り、トキ売りと、ニーズも多様化しています。私たちの価値は「金融×サービス×事業」を提供することにありますが「変化の波を捉え、デジタルを駆使しながら事業を構想することで、パートナー企業と共に、その先のお客さまにご評価いただけるよう、提供価値の最大化を目指す」そのような存在として、パートナー企業に選ばれることこそが、理想の姿です。そして、市場と社会、未来に資する組織として持続的な成長をしていきたいと強く決意しています。

「攻めのDX」で顧客提供価値の最大化を突き詰める
          

DX戦略と人材戦略は表裏一体であり両輪

――「攻めのDX」の実現には東京センチュリーの一人ひとりの成長が不可欠。最後にお聞きします。DX戦略におけるこれからの人材育成をどう考えていますか?

馬場:例えば、サブスクリプションという仕組みを使ってどれくらいの業績を上げられるかを考えることは、企業である以上、もちろん重要です。しかし、それだけに追われていてはその先はありません。サブスクリプションを使って「どんな新しいことができるのか」と事業構想力を鍛えることが、DX戦略における人材育成の真に目指すところです。顧客やパートナー企業が抱える課題を事前に察知して深掘りし、説得力のあるシャープな提案をするにはDXだけではなく、情熱や真心が不可欠です。つまるところ、最終的には「人」に依拠しています。デジタルスキルを身に付けた上で、情熱や真心を失うことなくパートナー企業や顧客に対して真摯に向き合い続けることでおのずと、変化を創造するDX人材となっていくことでしょう。

東京センチュリーが展開する5つの事業分野のうち、特に国内リースは、今後より一層、他社と差別化するための提案力が求められます。これからのDX戦略によって挑戦の気概を持ったDX人材が多く誕生し、従来の常識にとらわれない革新的なアイデアが生み出されると、大いに期待しています。TCXの実現において、DXとHRXは表裏一体の両輪です。デジタル技術の獲得と利活用は、どこまでも人材の成長と足並みをそろえながら推し進めてまいります。

馬場 高一(ばば・こういち)

代表取締役社長

2014年、東京センチュリーリース(現 東京センチュリー)入社。取締役専務執行役員経営企画部門長などを経て、2022年4月代表取締役社長に就任。金融機関における国内・海外営業等の経験に加えて、当社経営企画部門長として業務執行に携わるなど、貴重な経験と幅広い識見を有する。

※記事の内容、肩書きは掲載当時のものです。

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