INNOVATION

東京センチュリーのDX推進
―食品流通業界の受発注業務を革新するパートナー・クロスマート社との取り組み

Aug 24, 2022

2022年3月、東京センチュリーは、クロスマート株式会社(東京都中央区)と業務提携契約を締結しました。同社は、食品流通のDXを推進するスタートアップ企業です。本提携に至る背景やこれからの展望について、クロスマートの寺田佳史社長と当社DX戦略部の下平涼子に聞きました。
リースとDXが結びつき、どのようなシナジーが生まれているのか?――協業によるDXの実践的な取り組みを通じ、その答えが見えてくるかもしれません。

デジタル技術で外食産業が抱える受発注業務を効率化

――はじめに、クロスマートの事業内容について教えてください。

寺田社長(以下、敬称略):現在の主な事業は、飲食店と卸売会社をつなぐ受発注プラットフォーム「クロスオーダー」の運営です。外食産業において食材やドリンク類などの受発注はFAXや電話で行われるケースが多く、両者にとって負担となっています。「クロスオーダー」はLINEとFAX-OCR(※)を活用してこの負担を軽減し、効率化を実現するサービスです。

(※)Optical Character Reader/Recognition:光学文字認識。手書きや印刷された文字を読み取り、文字データに認識する機能

クロスマート株式会社 代表取締役 寺田佳史
          

――飲食店や卸売会社にとって、クロスオーダーは具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?

寺田:スマートフォンのLINE上で操作が完結するため、飲食店は場所と時間を問わず仕入れ注文ができ、複数の仕入れ先を一元管理・共有することができます。また、LINEを利用しない場合でも、専用の用紙を使えばFAXの手書き文字が自動的にデータ化されるので、飲食店はFAXによる注文を続けながら、卸売会社は紙の管理を減らすことができます。
こうして得られるデジタルデータをもとに迅速かつ確実な受発注が可能となり、従来の煩雑な処理に起因するコストの削減が見込めるのです。
クロスオーダーの特徴は、導入にあたりPCやソフトウェアの購入などが不要で、既存の環境やデバイスを活用してDXが実現できる点。徹底したユーザー視点は、同業他社の類似サービスにはない強みです。

クロスオーダー
          

DXの推進にはパートナー企業の存在が不可欠

――本提携に至るそれぞれの背景について教えてください。

下平:DX戦略部は、東京センチュリーが新・第四次中期経営計画で掲げる「デジタル技術活用によるビジネス変革の推進」という重要テーマの達成に向け、事業創出から人材開発まであらゆる業務に取り組む部署です。進化し続けるデジタル技術を活用して新しいサービスやビジネスモデルを創出するにあたり、当部にはパートナー企業と手を取り合ったオープンイノベーションが不可欠である、という共通認識があります。
こういった認識から情報収集を続ける中で、近年はオープンイノベーションによる業界特化型のバーティカルSaaS(※)が高く評価される傾向が見られたため、独自のサービスやツールを提供している企業に注目していました。ある企業からクロスマートさまをご紹介いただいたときは、東京センチュリーのDXに新たな可能性をもたらす面白いビジネスができるのではと、ワクワクした気持ちになったことをよく覚えています。

(※)バーティカルSaaS…特定の業界だけで利用されることを想定したインターネット上のソフトウェア。バーティカルは「垂直」という意味。経理や人事などの領域で業種を問わず汎用的に利用される「ホリゾンタル(水平)SaaS」と対をなすサービスの概念。

東京センチュリー株式会社 DX戦略部 下平涼子
          

寺田:食品流通を支えるべく開発したクロスオーダーはユーザーが限定されるため、自社単独で展開を続けるのではなく、ユーザー層と接点を多く持つパートナー企業との提携が必要であると当初から考えていました。
ユーザーの新規開拓にあたって、幅広い業種のお客さまを持つ東京センチュリーの存在は非常に頼もしく魅力的。業務提携は社員一同のモチベーションアップにもつながっています。

クロスオーダーは実践的なDXを理解する上での理想の教材

――本提携によって社内にどのような変化が起きていますか?

下平:当社のリース営業の担当者を対象に各部店でクロスオーダーの勉強会を開くと、参加率が非常に高く、矢継ぎ早に質問が投げかけられます。DXの必要性は十分に理解しながらも、お客さまに対し具体的にどのような提案をすればいいのかと模索している営業担当がとても多い印象です。クロスオーダーの提案が「実践的なDX」の何よりの事例につながると、手ごたえを感じています。

寺田:勉強会に出席される皆さんの熱量は、本当にすごいですね。

下平:営業担当者には、コロナ禍でも「リース以外の切り口でお客さまとの関係を維持したい」「新たな関係を築きたい」という想いがあります。DXの必要性に加え、そういった部分も勉強会への参加率や質疑に表れているのかもしれません。
クロスオーダーをお客さまに紹介した担当者が、とても良い顔で商談から帰ってくるんですよ。お客さまにとっては「解決できない課題」だと思われていたものが、クロスオーダーによって発想が変わるんです。

クロスマート株式会社 代表取締役 寺田佳史と東京センチュリー株式会社 DX戦略部 下平涼子
          

寺田:本提携以降は、全国展開されている規模の大きな卸売会社との接点が格段に増え、業績にも反映されています。弊社は東京本社に加えて大阪、福岡、仙台にも拠点を設けているので、これからは各エリアでの連携もさらに強化していきたいと考えています。

ビジネスの本質に通じる2社の共通点とは?

――本提携の意義をどのように感じていますか?

寺田:本提携では、継続と信頼の大切さを学んでいます。2万社を超える企業と取引をしている東京センチュリーの実績は、従来から培われた信頼があるからこそ。「何かお困りごとはありませんか?」と、お客さまを訪ねシンプルに問いかける営業の姿勢は、私たちもそうありたいと常々心掛けているビジネスの本質に他なりません。モノやサービスを売ることはゴールではなく、むしろスタートである。この考えを徹底し、事業を展開していきたいと思います。

          

下平:クロスマートさまの、スタートアップ企業ならではの柔軟な発想やフットワークの軽さは見習うべき点が多々あります。お客さまに先進的な技術を押しつけるのではなく、その声に耳を傾け、サービス内容を内製でアップデートしていく姿勢にも大いに共感します。
また、勉強会やお客さまへの提案にご同行いただくクロスマートの皆さんと接していると、クロスオーダーに対する自信と、「この仕事が好きでたまらない」というポジティブな空気がひしひしと伝わってきます。
毎日のように連絡を取り合ううちに、飲食店や卸売会社が抱える課題についてもクリアに理解できるようになりました。業界に対する知見が深まったことは、先々の大きな財産になる気がします。

「お客さまにとってのDX」を実現し、食品流通のインフラを共に目指したい

――クロスオーダーのこれからの展望についてお聞かせください。

寺田:クロスオーダーによる受発注業務のDXは事業展開の第一段階です。例えば販促であったり決済であったり、飲食店と卸売会社が抱える課題は他にもたくさん挙げられます。これらを複合的に解決し、食品流通のインフラとなることが私たちの目指す到達地点です。
そのためのサービスをこれからも意欲的に開発し、業界を広く、長く支え続けたいですね。ゆくゆくは、食品メーカーや生産者、最終消費者の方々にも価値を感じていただけるようなサービスの提供を目指していきます。

下平:クロスオーダーの展開は食品流通の中間地点に位置しますが、その前後の領域にも当社のお客さまはいらっしゃいます。クロスマートさまが次の段階に踏み出される際には、新たな連携の形を検討し、業界全体のDXに貢献したいです。

クロスマート株式会社 代表取締役 寺田佳史と東京センチュリー株式会社 DX戦略部 下平涼子
          

――ありがとうございました。最後の質問です。本提携はお二人にとってどのような「挑戦」になっているのでしょうか?

下平:当社はこれまでにも個別のお客さまに対しDXを実現する協業プロジェクトに取り組んできた事例はありましたが、本提携を通じ「お客さまにとってのDX」を実現し、その裾野を広げていくにはどうすればいいかと、強く意識するようになりました。
新しいデジタル技術に対するアンテナを広げ、実践に生かせるアイデアを積極的に模索しながら、グループ内外にDXのさらなる可能性を示すための「挑戦」を続けていきたいです。

寺田:手法がデジタルであれアナログであれ、お客さまの役に立つかどうかを考えることが当社のビジネスの起点ですし、経営者として「お客さまの役に立ち続ける」ことを最も大切にしています。東京センチュリーの価値観は私たちクロスマートにも通じるものがあると感じていますので、両社で力を合わせて食品流通のインフラを実現できるよう「挑戦」の気持ちを忘れず励んでまいります。
ちなみに下平さんは弊社メンバーの誰よりもクロスオーダーのPRが素晴らしいと社内でもっぱらの評判ですので、そのプレゼンスキルをこれからもお手本にさせていただきたいと思います(笑)。

下平:ありがとうございます! びっくりするくらい元気なクロスマートの皆さまとの協業を目いっぱい楽しんでいます(笑)。

寺田 佳史(てらだ・よしふみ)

クロスマート株式会社 代表取締役

株式会社サイバーエージェントにて、大手企業とのアライアンス事業やFacebookコマース事業の立ち上げを経験。2013年にヘルスケアメディア「Doctors Me」を立ち上げ、月間300万ユニークユーザーまで規模を拡大、2017年に事業売却。 2018年、既存産業にテクノロジーを掛け合わせ新規事業を創出する XTech株式会社へ入社し、クロスマートを創業。

下平 涼子(しもだいら・りょうこ)

東京センチュリー株式会社 DX戦略部

センチュリー・リーシング・システム(現 東京センチュリー)入社、アシスタント職として情報機器営業部へ配属。総合職への職種転換後、システム営業部(当時)にて国内リース営業に従事。営業管財部(現 資産営業部)、総務部、IT推進部などを経て、2021年4月より現職。2度の子会社出向や育児休業の取得も経験。

クロスマート株式会社

https://xmart.co.jp/

2018年7月設立。「新たな価値を生み出す、食のマーケットプレイスをつくる」をビジョンに掲げ、食品流通のDXに取り組むスタートアップ。コロナ禍を背景に業務のデジタル化・DXのニーズは高まり続けており、飲食店におけるクロスオーダーの利用店舗数は25,000件を突破(2022年7月現在)。

※記事の内容、肩書などは掲載当時のものです

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