LIFE

追求する企業文化―社員のため、会社のため、そしてお客さまのために。

Sep 29, 2021

1998年にAllegiant Partners Incorporated(API)を起業以来、CEOとして率いてきたクリス・エンボムさん。APIは2019年に東京センチュリーグループとして参画。2020年には2015年からCEOを務めるWork Truck Direct(WTD)もグループ化し、2021年4月には東京センチュリー の米国法人であるTokyo Century USA(TCUSA)のCEOに就任。そのキャリア、ビジネスに関する考え方、そして未来への展望について伺いました。

起業家としてニッチな市場で、独自のサービスを生み出す

― どのような学生時代を過ごされたのですか?

私は高校を卒業するまでオレゴン州の小さな町コーバリスで育ち、大学はカリフォルニア大学バークレー校に行きました。田舎育ちの私にとっては大きな変化でしたが、とても楽しい大学時代で、経済学と政治学を専攻しました。その後カリフォルニア大学サンディエゴ校の大学院に進学し、国際関係学のひとつである環太平洋研究を専攻しました。日本語を学んだのもこの時です。

大学院時代は不動産デベロッパーでパートタイマーとしても働いていました。この会社が日本の大手銀行とつながりがあったことで、東京にあるリース会社でインターンとして働くことになりました。ここで1年間ほど航空機ファイナンスを担当し、大学院を卒業した後、このリース会社の提携会社だった航空機ファイナンスと鉄道ファイナンスに特化した投資銀行での仕事に就くことにしました。実は、東京センチュリーグループの前身である東京リースと航空機リース取引で関わったこともあります。

1990年日本にいた頃のクリスさん/やっと出張に行けたニューヨークでの一枚
1990年日本にいた頃のクリスさん/やっと出張に行けたニューヨークでの一枚

― APIを起業されたきっかけは?

社会人になって10年ほどの間は国内外に出張が多く、長距離移動を繰り返す生活に少し疲れてきた時期がありました。また、営業担当者として、サービスを販売し、取引をまとめることを繰り返すフェーズにしか関与できず、すぐに次の案件に取り掛からなければいけないことに寂しさを感じるようになりました。そこで、もう少し安定した生活と自分が理想とするビジネスを作るために起業することにしたのです。友人や家族から資金を提供してもらい、ビジネスパートナーを探し、リース・ファイナンスサービスを主としたAPIを設立しました。

起業にあたって、リスクは若干高いものの高い収益が狙えるビジネスモデルで差別化を図ることとしました。高い専門性が必要であるため、あえて会社自体の規模は大きくしすぎないように心掛けながら、5年後には、8名の社員でおよそ3,000万ドル規模の企業を築き上げました。
思い出深いのは2007年のリーマンショックを発端にした世界金融危機の時です。この時学んだのは、このように急激に市場が冷え込むときは各社がコストを圧縮したり資金を確保するために資産を手放すのですが、ファイナンスサービスを提供する際には慎重な判断が必要だということです。当時は銀行各社も同様に比較的リスクの高いビジネスに参入してきたものの、薄利で運用したため苦戦していました。

私たちはなんとかこの危機を切り抜けることができましたが、ビジネスモデルをよりサステナブルなものへと変えていく必要があると気づきました。そこで、会社をさらに成長させ、より大きなビジネス規模を目指す方向に舵を切りました。例えばFedExの受託業者など輸送市場向けの配達用トラックや、カリフォルニアでは需要の高い樹木整備機器などのリース・ファイナンスサービス、イベントスペースのレンタルサービスなどニッチな市場で新たなサービスを買収し、成長してきました。

今や、これらの事業はAPIの屋台骨とも言える高収益の事業に成長しました。会社の規模は決して大きくないものの、マーケティング部門では若手でイノベーティブな人材を積極的に登用することで、最先端のセールス&マーケティング機能を構築し、そのことがここ7年の成長に大きく貢献しています。

―WTDを完全子会社化したことで、どのような変化があったのでしょうか。

          

2015年、FedExの受託業者にトラックを直接販売するため、WTDを立ち上げました。アメリカにおけるFedExの配送は受託業者が担っており、使用する配送車両は受託業者自身が調達する必要があります。2011年にAPIとしてトラックのファイナンスサービスを始めた際、受託業者であるお客さまが我々のファイナンスサービスを非常に喜んでくださったのと同時に、お客さまごとに様々なスペックをトラックに求めていることが分かったのです。それは地域の車のディーラーでは提供できないものでした。

そこで、全米のさまざまなディーラーからトラックの在庫リストを集め、オレゴン州でトラックディーラーとしてのライセンスを取得しました。これによってトラックの売買が可能となり、単なるトラックのファイナンスだけでなく、どのようなスペックのトラックが何台必要かなど、お客さまのニーズにあったサービスを提供できるようになったのです。さらに、全米規模でディーラーのマーケティングの一翼としても機能するようになりました。トラックの在庫と顧客のニーズを把握しているので、ディーラーが所有・購入するトラックを無駄なく顧客に提供することがディーラーにも保証できるのです。

ニッチな市場ではありますが、ここで得たノウハウは、樹木整備機器のビジネスにも生きています。ファイナンスのみならず、車両や機材のディーラーとしてのサービスを構築することで、顧客満足度の高いサービス提供ができるようになりました。

社員とビジネスのために何が最良かを追求する

APIのメンバーはスムーズに在宅勤務に移行できた
APIのメンバーはスムーズに在宅勤務に移行できた

― コロナ禍は会社にどのような影響を与えていますか?

各地の皆さんとそう大きくは変わらない状況だと思います。社員は皆マスクを着用し、以前より在宅勤務が大幅に増えました。この一年は、飛行機での出張や旅行もできませんでした。一方で、会社としては大きな障害はなく、すでに何年も前からほとんどの業務はデジタル化していたので、在宅勤務にスムーズに適応することができました。ただ、働き方の意識としては、大きく変わったことがあります。以前は社員、特に出張の多い営業担当者の在宅ないしリモートワークは推奨していませんでした。しかし、離れていても問題なく業務ができるということが分かり、地域にとらわれずメンバーを採用することもできるようになりました。先日も、APIの拠点はオレゴンですが、ニューヨーク在住の担当者を採用したばかりです。

― パンデミックという状況下でのビジネスで、大切なことは何でしょうか?

柔軟性だと思います。ウィルスとの戦いは予測不能です。2020年は移動が制限されていましたが、最近はワクチンの普及とともに少しずつ緩和され始め、8月には久しぶりにミシガン、オハイオ、オレゴン、ワシントンに出張することができました。これから先も、しばらくこのような状況が続くと思います。だからこそ、人の安全を第一に考えながらも、オープンマインドで、できるだけスムーズにビジネスを続けていければと考えています。

東京センチュリーグループとしての企業文化を醸成していきたい

東京センチュリーグループに加わった記念パーティにて
東京センチュリーグループに加わった記念パーティにて

― 東京センチュリーグループの第一印象は?

前身の会社を知っていましたし、東京で仕事をしたこともありましたが、秋葉原のオフィスは私の想像をはるかに超えて現代的で驚きました。東京センチュリーグループに加わるにあたって、ニューヨークで東京センチュリーのメンバーと会い、仕事をした経験から、いい意味で日本的なカルチャーを持った会社だと思っていました。
東京も25年ぶりに行きましたが、街や人々の雰囲気が観光客や海外出身者に対してフレンドリーになっていると驚きました。

― 東京センチュリー、TCUSAの会社としての強みはなんだと思いますか?

TCUSAは大企業であり、特に長年築いてきた強固な顧客基盤と信頼関係によって、様々な案件が生まれつつあります。ビジネス展開だけではなく、資金調達の面でも強化できたため、お客さまに対してコストを抑えた魅力的なサービスの提供ができるようになり、これまでとは違う次元の成長につながっています。

― TCUSA、API、WTDのCEOとして、これまでの経験をどのように活かしていきたいと考えていますか?各会社に対する展望と将来のビジョンを教えてください。

私だけではなく、各社の役員それぞれが、TCUSA、API、WTD各社に大きな成長の可能性があると信じています。この成長機会をいかに活用するか。3社の強みの相乗効果をどのように生み出していくか。これらを日々議論しながら、新たなビジネスチャンスを今も検討しているところです。

TCUSAは、アメリカを拠点にしつつも日本企業的なところがありました。私がこの役職に起用された理由のひとつは、アメリカの子会社の経営は、成長とイノベーションの文化を形成できるかどうかにかかっているからだと考えます。これはあらゆる企業、特に有能な人材の争奪戦が激しい金融業界において、大きな課題です。能力ある人材が集まる魅力的な会社づくりに取り組んでいきます。

オフィスのあるオレゴン州ベンドは地ビールが有名でよく同僚と楽しむ
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― 有能な人材を惹きつけ、その能力を発揮させるための鍵となる環境や企業文化とはどのようなものだと思いますか?

良きリーダーシップと企業文化、強固なチームワークを醸成する職場環境、そしてエキサイティングなものを生み出す機会に人材は惹かれ集まります。APIはこれらを醸成することに長けており、だからこそ、急速な成長を遂げてきたのです。

一方で、作り上げた良き企業文化を失えば、有能な人材も失うことになるでしょう。文化をよく理解し、定義し、文化のルールに則って行動することはとても重要です。今、TCUSAとAPIはまったく違う会社です。一方は日本、もう一方はアメリカを起源とし、日々のビジネスのアプローチも違います。これらまったく異なる二つの文化をひとつにすることは困難ですが、ゼロから新しい文化を築くのはもっと困難です。企業文化を軽視する人もいますが、私は非常に重要なものだと信じています。アメリカでは何度も転職することは珍しくありませんが、APIでは、Chris Lerma と Raquel O’Learyを含む多数の社員が10年以上働いています。なぜならお客さまのために新しいものを生み出すことを追求する文化に共感し、楽しんでいるからです。
お客さまのためのサービスを楽しみながら追求し続けるという企業文化を保ち続けることで、人材を惹きつけ、お客さまに選んでいただける独自の価値を提供し続けることができる。私はそう信じて、社員とともに企業文化づくりを追及していきたいと思います。

Chris Enbom

1998年にAP Equipment Financing を起業、CEOを務め、2015年Work Truck DirectのCEO、2019年東京センチュリーグループに参画。2021年Tokyo Century (USA)、に就任
https://apfinancing.com/team_members/chris-enbom/

※記事の内容、肩書などは掲載当時のものです

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