Services

【後編】パソコンの「リファービッシュ」ってどんなことをやるの? その流れを6ステップに分けて徹底解説

2021年2月17日

リース満了となったパソコンなどの情報機器端末のデータ消去を中心に、リファービッシュ業務を行っている東京センチュリーグループの株式会社TRY(以下「TRY」)。前編ではTRYの万全のセキュリティ体制をご紹介しましたが、後編では「リファービッシュ」業務の詳しい内容についてご紹介します。

TRYのリファービッシュ業務を6ステップに分けて解説

「リファービッシュ」とは一般的に、初期不良などで返品された電化製品や情報機器、あるいは一度使用された製品の修理・再生を行い、再出荷することを指します。

TRYでは主にリースが満了した情報機器のデータを消去し、クリーンな状態にした後に、出荷しています。TRYで扱う情報機器端末はパソコンを中心に、タブレットやサーバーなど多岐にわたりますが、リファービッシュ業務のおおまかな内容・流れとして、以下の6ステップが挙げられます。

リファービッシュ業務

STEP1.引取手配業務

リース満了物件をお客さまから返却を受ける際には、事前に対象となる情報機器のメーカーや製品番号・台数などを細かく把握した上で引取の手配を行います。

STEP2.入庫処理

TRYのデータ消去センターがある座間センターにて、お客さまから配送されてきた情報機器を受け取ります。物件の受け入れ総実績数は、2019年に約26万台。毎月1万5千〜2万台程度を平均して受け入れており、国内でもトップクラスの受け入れ台数です。

STEP3.突合業務

引取手配業務の際に依頼されたリース満了物件と、実際に受け入れた物件に齟齬がないか、1台ずつ細かく確認します。TRYが一般的な中古業者と異なる点は、この「突合業務」の有無です。リース物件は東京センチュリーグループが所有する資産であり、また、お客さまの情報保護を徹底する上でも、TRYでは受け入れた物品情報を厳密に把握・管理しています。

突合業務

STEP4.データ消去

ハードディスク内のデータを消去します。TRYでは「ソフトウェア消去」「物理的破壊」「磁気的破壊」の3つの方式で情報機器のデータ消去を行っています。それぞれのデータ消去方式の詳細については後ほど詳しくご説明しますが、「ソフトウェア消去」を基本的な消去対応としており、お客さまから特別にご依頼があった場合に、「物理的破壊」「磁気的破壊」で対応します。

STEP5.データ消去作業報告書の作成

お客さまからご要望があった場合、データ消去の作業結果を報告書として作成し、エビデンスとしてご提出します。また、必要に応じて破壊した物件の証拠写真もご提供しています。

STEP6.売却・出荷

データ消去が完了した情報機器を、オークションなどを活用して中古業者に売却します。

3種類の消去方式を使い分け、データを確実に消去

情報機器内のデータを完全に消去するには、ハードディスクを初期化するだけでは不十分です。TRYでは「ソフトウェア消去」「物理的破壊」「磁気的破壊」の3つの方式で、情報機器のデータ消去を行っています。

情報機器のデータ消去

1.ソフトウェア消去

専用のソフトウェアを用いるのがTRYにおける一般的なデータ消去方法です。環境保護の観点からも、データ消去後もHDDの再利用が可能なソフトウェア消去を基本対応としています。

作業を行う際には、世界最高水準のblancco社製のデータ消去ソフトウェアを使用。ハードディスクの容量にもよりますが、データ消去の時間は1回につき平均1〜2時間程度。お客さまのご要望に合わせて、複数回にわたってデータ消去を行う場合もあります。

2.物理的破壊

専用の機器を使用し、HDDやSSDに直接的に穴を開けて復元不可能にする消去方法です。HDD破壊は4ヶ所、 SSD破壊は20ヶ所×2回の穴開けが基本となっています。また、DVDやSDカードなどの小型記録媒体の破壊も行なっており、さまざまな記録媒体の物理的破壊にも対応しています。

3.磁気的破壊

強力な電磁波によって、ハードディスクに記録されたデータを消去する消去方法です。専用の機器にHDDなどをセットしてボタンを押すと、電磁波によってハードディスク内のデータが破壊されます。磁気が加わると色が変わる特殊なシール(破壊前は緑色から破壊後は黒色に変化)をHDDに貼り、作業の完了を視覚化しています。

物理的破壊や磁気的破壊は、端末本体に穴を開けるわけではなく、解体してハードディスクのみ取り出し、筐体そのものはリユースします。新しい端末ほど精密で小型化されており、解体も難しくなるため、作業にあたるスタッフは、新しい端末の仕様を常にキャッチアップするなど、専門知識や技量を日々アップデートしています。

SDGsの採択以前から、循環型経済社会の実現に努めてきたTRYの想い

2015年9月の国連サミットで採択され、世界的な取り組み目標として注目が集まっているSDGs(持続可能な開発目標)。東京センチュリーでも2018年に「サステナビリティ委員会」を立ち上げるなど、さまざまなSDGsへの取り組みに注力しています。もともと東京センチュリーが長年にわたって展開しているリース事業は、耐久消費財を効率的に利用し、リサイクルなど資源の有効活用につながるという点からも、SDGsと親和性が高い側面もあります。

循環型経済社会(サーキュラーエコノミー)の実現

そうした中でTRYは、SDGsという考え方が広まる以前から、リファービッシュ業務を通じて循環型経済社会(サーキュラーエコノミー)の実現に尽力してきました。SDGs で掲げられている17の目標の中には、持続可能な生産消費形態を確保することを目的とした「つくる責任、つかう責任」という項目がありますが、これはまさにTRYが創業当初から追求してきた企業としての目標でもあり、いわばSDGsに先んじて、事業の中で当たり前に培ってきた考え方でもあります。

大量生産・大量消費・大量廃棄といった従来の社会のあり方からの転換・脱却が強く求められる中で、TRYが行なっている「リファービッシュ」が果たす役割と社会的価値は今後さらに高まっていくことが予想されます。TRYは設備面の充実、そして独自の教育を通じた従業員のレベルアップにより、ハード・ソフト両面を強化することで、リファービッシュ業務の品質を高め、循環型経済社会の実現に努めていきます。

※記事の内容、肩書などは掲載当時のものです

0+
このエントリーをはてなブックマークに追加

おすすめ記事

キーワード

PAGE TOP

お問い合わせ