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“脱炭素”を当たり前のものに。JCM(二国間クレジット制度)事業を担うメンバーが語る、世界の環境課題解決にかける想い

2021年7月28日

東京センチュリーでは、これまでに8つのJCM(二国間クレジット制度)事業を形にし、脱炭素社会の実現に向けた企業の環境課題解決を支援してきました。そんな東京センチュリーのJCM事業を担うコアメンバーに、JCM事業に携わる中でのやりがいや魅力、環境課題解決にかける想いなどを聞きました。

JCMを通じて、世界の環境課題を解決していくことがミッション-まずはJCM事業に関わるみなさんがどんな業務をしているのか教えてください。

JCM事業コアメンバー(写真左より)安福⼣貴⼦、⾓元賢治、テトアウン‧シャイン、⽥中義裕

JCM事業コアメンバー(写真左より)安福⼣貴⼦、⾓元賢治、テトアウン‧シャイン、⽥中義裕

安福

海外拠点を持つグローバル企業に、低炭素技術(太陽光発電システムやコージェネレーションシステム等)をご提案しています。日本政府が掲げる2050年カーボンニュートラル実現に向けて、脱炭素社会の実現が重要になるなか、環境対策に取り組む企業が今、とても増えています。実際に東京センチュリーへの相談件数も増えてきており、そうしたお客さまからのご相談をお聞きする中で、ひとつの手段としてJCMを提案しています。

フィリピンの街の風景とオフィスの様子。赴任していたBPICTでは、同僚の誕生日をお祝いします。

フィリピンの街の風景とオフィスの様子。赴任していたBPICTでは、同僚の誕生日をお祝いします。

私も安福さんと同じくJCMの普及業務に取り組んでいます。特に私の場合は、東京センチュリーの海外法人と連携して、海外企業にご提案することが多いです。今年4月にこの部署に来たばかりなので、日々勉強の毎日ですね。

角元

田中

私は、すでに採択されたJCM事業の管理業務を主に行っています。JCMでは、設備導入後、温室効果ガス(GHG)の排出がどれだけ削減されたか、継続してモニタリングしていく必要があり、それに応じて日本側にクレジットが発行されます。そのあたりの管理を、同じ部署のテトさんと担当しています。

そうですね。設備の導入後は、日々温室効果ガスの排出量を計測し、数字に変化や問題があれば現地の共同事業者や施工会社に連絡します。設備導入後も毎日のように現地企業とのやり取りが発生するのは、JCM事業の特徴かもしれません。しかも東京センチュリーは、プロジェクトの代表事業者として全体を統括する立場なので、責任を感じながら進めています。

テト

-JCM事業に携わって感じたことや、やりがいはどんなところですか?

田中

多くの企業が今、環境対策に危機感を感じながら取り組んでいると感じました。問い合わせの件数も増えていますし、同時に、東京センチュリーが今まで行ってきたビジネスとはまた違う、新しい事業という点にもやりがいを感じています。

安福

環境部門を新設したお客さまからのご相談もよくあります。温室効果ガス削減のために何をすれば良いか、具体的な施策に迷われている企業も少なくありません。実例がまだまだ少なく、お客さまごとに事情が異なる大変さはありますが、そのような個々の悩みごとに対して、環境対策のパートナーとして解決をサポートできる、一緒に前例を作っていけることに非常にやりがいを感じます。

当社のような形でメーカーや現地企業とJCMのような事業に取り組んでいる企業は非常に稀なので、そうした意味で、東京センチュリーらしいユニークさや他社との差別化にもつながっていると思います。

角元

-テトさんは特にJCM事業の立ち上げ初期から携わっているとのことですが、特に印象的だったプロジェクトはありますか?

JCM事業立ち上げ初期から携わっていた、吸収式冷凍機の設置工場

JCM事業立ち上げ初期から携わっていた、吸収式冷凍機の設置工場

特に記憶に残っているのは、インドネシアで行ったプロジェクトです。コロナ禍以前だったので、完成時に、地元の行政やメディア、地域住民の方々を招待し、呼んでLocal Stakeholder Consultation (プロジェクトの説明会)を開きました。

このイベントには、実はある目的がありました。というのも、導入した設備は、CO2の排出が従来より少ない冷凍機。ただ、現地の方からすると冷凍機とCO2削減がどうつながるのか、いまひとつイメージが湧きません。そこでお披露目イベントを開き、どういった仕組みでCO2を削減するのか、しっかり説明しました。そこに用いられている技術や知識をしっかりと社会に伝えていくことも、JCM事業をやる上で非常に重要なのだと感じました。

テト

人類の歴史を考えると、脱炭素も数年後には当たり前のものに?

         

-JCM事業に携わる中で、皆さんの環境意識に変化はありましたか。

以前に比べて、環境関連の記事を細かく見るようになりましたね。カーボンニュートラルや電気自動車100%が実現されるのは、まだまだ遠い未来のことだと感じる方も多いと思います。むしろ本当に実現できるのか、疑っている人も多い気がします。でも人類の歴史を見ると、ライト兄弟が飛行機で初の有人動力飛行に成功したのは1903年。それから66年後、1969年には人類はすでに月までたどり着いているんですよね。

それほど科学は急速な発展を遂げてきたわけで、だとすると、カーボンニュートラルも電気自動車100%も、そう遠くない未来に実現できるのではないでしょうか。だからこそ、もっと現実的にそうした未来の実現をイメージしなければいけないと思っています。

角元

私も似たようなことを感じます。10年前の私たちは、ここまでスマホが私たちの生活と切り離せないものになるとは、考えていなかったと思います。きっと環境に対する意識の高まりも、スマホと同じように普及していくのではないでしょうか。数年後にはSDGsや脱炭素の話題は、スマホのように当たり前のものとして、私たちの生活にさらに馴染んだものになっているかもしれませんし、そうなっていてほしいと思います。

テト

          

安福

ニュースをチェックしていると、環境関連の記事を必ず目にするようになりましたしね。それほど世界的にも関心が高まっているわけですし、きっとこの流れはさらに加速していくと思います。私は基本的に新しいことを調べたり、学んだりすることが好きなので、今は環境の知識を深めることに楽しさを感じています。

田中

日常生活においても、環境を意識した行動を心がけるようになりました。業務のなかでさまざまなお客さまの真剣さを目の当たりにする中で、普段の自分自身の生活も見直そうと。最近は、紙の使用量をできるだけ減らすようにしています。とても小さなことですが、何かひとつでも具体的にアクションを起こすのが大切なのかな、と思っています。

お客さまの環境課題に共に取り組み、共に解決するパートナーを目指して

         

-今、そしてこれからの時代を担う方々の環境意識が上がっていくことが、これから大切になってくるかと思います。日常生活を送る中で、環境についてより意識するために、みなさまからのアドバイスは何かありますか。

まず最初のステップとしては、自分の周りを見渡してみると良いと思います。自分の周辺を「環境視点」で見てみると、いろいろな気づきがあるはずです。太陽光パネルを設置している一般住宅は増えていますし、最近はオフィスに植林を行っている企業もあったりして、意外と身近なところに環境課題を解決するような動きって、いろいろあるんですよね。

テト

安福

私もそう思います。自分がよく使うお気に入りのブランドや製品も、環境に配慮した取り組みを必ず行なっていると思うので、そうした取り組みをまずは調べてみるのも良さそうですよね。

         

田中

私は、さまざまな物事に対して、絶えず疑問を投げかける視点があると良いと思います。たとえば自動車なら「なぜガソリン自動車は環境に悪いと言われるのか?」「電気自動車は本当にガソリン自動車より環境に良いのか?」疑問を持ってあらためて調べてみる。世の中の意見をそのまま受け入れるのではなく、自分の頭を通して確かめてみると、より深く環境について理解できると思います。

日々のニュースを見るとき、あえて自分の考えとは違う意見のニュースにも意識して触れるのも良いですね。反対意見を見ることで、自分の意見の輪郭がはっきりしてくることもあるので、幅広い意見を見ることはとても重要な気がします。自分の意見を他の人に説明するときにも、きっと役立つはずです。

角元

-ありがとうございます。最後に、皆さんの今後の抱負や意気込みを教えてください。

安福

少しでも多くのお客さまと会話し、JCMをひとつの有効なツールとして機能させながら、企業の環境活動の後押しができればと思います。コロナ禍の影響もあり、まだテトさんのように実際に設備を導入した瞬間に立ち会ったことがないので、個人的には早くその場に立ち会いたいとも思います。

東京センチュリーがこれまで培ってきた金融やリースの知見、そして海外とのネットワークを使いながら、たくさんの企業にアプローチしていきたいですね。JCMは、通常なかなか接点が生まれない海外企業ともお話しできるので、そうした一つひとつの機会を大切にしていきたいです。

角元

赴任中は現地の観光地を巡るなど異文化に触れることもできます。
ミャンマーの仏教の巡礼地であるチャイティーヨー・パゴダ(左)/台湾の夜市の様子(右)

故郷のミャンマー、そして第二の故郷である日本に貢献していきたいです。まずは日々のお客さまとのコミュニケーションを通じて、安定した管理業務を続けていきたいです。今は8プロジェクト9件の案件管理を行っていますが、田中さんと力を合わせて、それらをきちんとモニタリングしていけるよう頑張ります。

テト

田中

そうですね。この事業はお客さまとのお付き合いが長期的なものになるので、JCMに限定せず、幅広い環境にまつわる悩みをお聞きし、環境課題に共に取り組むパートナーとして、これからもそれに応えていきたいですね。

田中義裕(たなか・よしひろ)

2007年入社。日本国内での営業を5年経験し、その後1年間中国トレーニーを経て、台湾に赴任。2018年には再度中国に赴任。2020年3月から国際プロダクツ部に異動しJCM事業に従事。

角元賢治(かくもと・けんじ)

2017年入社。アジア事業開発部でGrab関連業務に従事したのちに、ミャンマーのYoma Fleetにトレーニーとして出向。2021年から国際プロダクツ部に配属、ミャンマー案件および海外現地法人との内外連携や、海外新規顧客の開拓を行う。

テト アウン シャイン

2017年入社。ミャンマー出身。東京センチュリーのJCM事業立ち上げ初期から携わる。JCM関連の海外出張等も経験。これまで得てきた知識や経験を生かしながら、JCMの管理業務をメインで担う。

安福夕貴子(やすふく・ゆきこ)

2019年入社。同年11月、フィリピン現地法人BPI Tokyo Century Lease & Financeにトレーニー派遣。オートリース業務を担当するもコロナ禍の影響を受け2020年4月に帰国。現在は国際プロダクツ部にて、国内外における環境関連ビジネス推進業務に携わる。

※記事の内容、肩書などは掲載当時のものです

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