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社名が変わっても、想いは不変。総合力を活かし不動産の常識を超えていく

2022年1月26日

神戸の地元企業として事業を展開する神鋼不動産が東京センチュリーグループの一員となったのは、2018年7月。2022年4月より「TC神鋼不動産」と社名が変わります。変革の中で、地域に根差した総合生活関連企業として、新たな不動産事業の在り方をどのように追求しているのか、4月に就任した藤野悦郎代表取締役社長に話をお聞きしました。

「総合生活関連企業」として、不動産にまつわるあらゆる領域を網羅

TC神鋼不動産

          

――はじめに、神鋼不動産の事業内容について教えてください。

神鋼不動産は、神戸製鋼グループ唯一の総合不動産会社として誕生し、2018年に東京センチュリーグループの一員となりました。現在は東京センチュリーの連結子会社、神戸製鋼所の持分法適用会社という位置づけです。また、私たちと同じ不動産事業者である中央日本土地建物グループとも戦略的提携関係を構築しています。

主な事業内容は住宅開発、都市開発、保険サービス、および子会社における建物運営・管理業と建設業の5つ。阪神間エリアを中心に、これらの事業を幅広く展開しています。

私たちの企業活動の根底にあるものは、人々の豊かな暮らしにいつまでも貢献し続けたいという想いです。「総合生活関連企業」と自らを定義し、従来の不動産事業に付加価値を生み出せる商品とサービスを常に模索しながら、すべての人々に夢と希望と笑顔をお届けする「スマイルライフカンパニー」を目指しています。

――藤野社長は2021年4月に社長に就任されました。組織の強みをどのようにとらえていますか?

2018年から神鋼不動産の社外取締役を務め、副社長を経て社長職を拝命した今、地域の皆さまから寄せていただく期待の高さが事業推進の大きな原動力になっていると、あらためて実感しています。

たとえば地元の神戸では、大型開発や主要施設の管理を長年に渡っていくつも任せていただいています。胸を張れる豊富な実績は、半世紀前の創業時から地域とのつながりを大切にされてきた、先達の方々によって築きあげられたものにほかなりません。

「神戸製鋼所」「神鋼」ブランドに対する絶大な信頼も、事業を展開するうえでの揺るぎない基盤となっています。
国内有数のグループの名を冠する企業にふさわしい存在でいなければならないと、強い自覚のもと日々の業務を堅実に遂行しようとする社員たちの姿は、就任当初から頼もしく見えていました。お客さまの安心を支える確かな根拠になっています。

それぞれが担当する案件は、開発関連であれば更地の状態からトータルにプロデュースするケースも少なくありません。建物管理であればテナント管理・清掃・警備と幅広いサービスを通じ、快適な環境を提供しております。不動産にまつわるあらゆる領域を網羅する多様なスキルが蓄積されていることも、強みだと自負しています。

TC神鋼不動産

          

時流に沿った新規事業の展開において、脱炭素社会に貢献するシナジーが生み出される

――東京センチュリーグループとのシナジーは、事業にどのような影響を及ぼしていますか?

連結子会社化から3年が経過し、新しい事業の開拓において相乗効果があらわれています。その事業とは、昨今のEC市場の急激な伸長に伴って需要が拡大している物流施設の開発です。すでにいくつかのプロジェクトが動き出しており、神戸市須磨区で10,000㎡超(建物)の物流施設を2022年の竣工を目標に新設工事を進めています。また、大阪・高槻市の、神戸製鋼グループの倉庫跡地を活用した50,000㎡超(建物)の大型物流施設も、2024年の開業をめどに開発が動き出しています。

両施設には、建物に太陽光パネルを設置して電力の自給自足や他施設への電力供給を可能にするオンサイトPPAの実施が予定されており、計画には再生可能エネルギーの関連事業を多く手がける東京センチュリーのノウハウが組み込まれています。

――脱炭素社会を目指す世界的な流れは、不動産市場の動向にもやはり色濃く反映されていますか?

国土交通省が策定した「不動産業ビジョン2030」では、省エネと創エネに優れた不動産の供給や、ESGの観点に重きを置いた経営方針で中長期的な投資を呼び込む体制の構築などが、業界全体に求められています。

オフィスビルを検討する際に、再生可能エネルギーの使用率を入居判断の基準とする法人のお客さまも、ここ数年で格段に多く見受けられるようになりました。

各企業はCO2の排出量削減につながる施策を次々と発信。これからの時代に適した競争原理が、健全に機能し始めていると感じています。

環境低負荷物件の実現は、神鋼不動産にとっても重要なテーマです。新たに開発する物件には、東京センチュリーグループの知見やノウハウを生かしながら、創意工夫を重ねてまいります。

TC神鋼不動産

          

社員の一人ひとりがより多様な可能性を感じられるように。社名変更はそのための第一歩

――2022年4月より社名が「TC神鋼不動産」に変わります。社名変更によって組織はどう変わっていくのでしょうか?

東京センチュリーグループのネットワークや事業推進力は、不動産の常識を超えた「総合生活関連企業」を目指す私たちに、新たな可能性をもたらしています。

神戸製鋼グループとの連携によって確立された基盤に、グローバルな市場で多種多様な事業を展開する東京センチュリーグループの組織力がうまく融合されれば、前述したオンサイトPPAのような事例は、この先さらに発展・拡大していくと確信めいた予感があります。

しかし、このような予感を現実のものとするためには、個々の実感が何よりの前提となるでしょう。そしてその機会は、率直に言えばまだまだ十分ではないと言わざるを得ません。

社名変更によって、より強固な一体感が醸成され、社員の一人ひとりに広い視野で自由な発想を促すための第一歩になればと願っています。

人材と情報の交流を活発にして、相互に刺激を与え合い、東京センチュリーのエッセンスをしっかり吸収しながら、唯一無二の個性を発揮できるような特色のある企業にすること。「TC神鋼不動産」の歴史の始まりに舵取りを担う、私自身の責務です。

TC神鋼不動産

          

――新社名に対する周囲の反応はいかがでしたか?

2021年9月に、「TC神鋼不動産」という名称を正式に決定し公表しました。グループ各社の役職員へ周知し、ロゴも決まり、まずは少し安心しています。ロゴ等の選定においては、社内でアンケートを実施し、役職員からの意見を反映しながら進めました。また、さまざまなケースを想定して、担当者が時間をかけて確認作業を進めました。

社名変更し、「TC」を冠することを機に、東京センチュリーそのものの関西における認知度向上と、グループの各種サービス・事業との連携もさらに推進していきたいと、思いを新たにしています。

社内では、今までの不動産業務から脱却し、今までできなかったことに取り組んでいこうという機運も生まれています。机上で議論だけをかわすのでなく、まずはやってみる、行動に移してみることで、新たな不動産会社としての形を創っていきたいと思います。

藤野 悦郎

          

――大きな変革の中において、社員の皆さんとともに取り組んでいくことは非常に重要ですね。普段はどのようにコミュニケーションをとっていらっしゃいますか?藤野社長は様々な会社での経験をお持ちですが、今までのキャリアで得た経験から、気を付けていらっしゃることなどがあれば教えていただけますか?

できるだけざっくばらんに、話を聞き、本音で語ることを心掛けています。私自身、いつか話題になった「忖度」は嫌いです。本音が隠されてしまいそれがボタンの掛け違いにつながり、やがて摩擦や問題に繋がります。

私のキャリアにおいて印象深いのは、若手のころ、上司や先輩によく怒られたことです。当然つらいことではありました。が、徐々に部下を持つようになって、いつしかそれは期待の裏返しで、怒られなくなったら終わりだとも思うようになりました。真剣な会話を避けることは、例えば、怒らないほうが体力的にも楽ですが、長い目で見れば課題に蓋をするだけとも感じます。そのような経験から、何が気になっているのか、何が問題なのかきちんと部下に認識してもらうことが大事だと考え、時には心身のエネルギーを割いて、少し大げさに勇気を持って怒るようにしています 。ただし、大事なのはその人に対してではなく、よりよい仕事をするため、その仕事に対して怒るということです。上の立場になると、本音を言ってもらうことが減ってしまいます。まずは、私自身から、気軽に本気で話し、本気で取り組む雰囲気を作っていければと思います。誤解なきように、いつも怒っているわけではありません(笑)。

子どもたちの未来と快適な社会を支えるために、誇りを持って地域の声に応え続ける

TC神鋼不動産

          

――最後に、神鋼不動産は地域に根差した会社として様々な活動に取り組まれています。地域との共生について藤野社長のお考えを教えてください。

就任にあたって兵庫県内のいくつかの自治体にご挨拶に伺った際は、たくさんのご期待のお言葉をいただきました。

神戸市をはじめ大都市も擁する兵庫県ですが、過疎化が危ぶまれる地域もあります。そこでお会いした方々は、人が少なくなる一方のまちを元気にするためにはどうすればいいのかと危機感をあらわにし、業界の勉強会があるなら役所の人間にも声をかけてほしいと官民の協働に意欲を見せるなど、どなたも地域への愛着にあふれています。話をお聞きするたび、街づくりを担う不動産事業者に期待される役割の大きさがひしひしと伝わってきました。

また、不動産は、開発して終わりではなく、人々が安全に・安心して暮らせるよう管理をし、ある程度の期間が経てばメンテナンスや再開発が必要となる事業で、人々の暮らし、人生と密接しています。そこで、従来から神鋼不動産では、子どもたちの未来と、誰もが安心して過ごせる社会を守る地域貢献活動を実施しています。

その一つが、小学生を対象にした絵画コンテストです。準備と運営のすべてを社員たちが手分けして行っています。我々のビジネスである「まち」をテーマにして募集しており、応募作品は、絵心がまったくない(笑)私からすれば、尊敬に値する素晴らしい出来のものばかり。感性豊かな色づかいや想像力に富んだ世界観に癒され、励まされている社員も多くいます。先日、審査が終わったところで、年明けに県立美術館で展示し、表彰式を行います。年々、応募点数も増え今年は約2,000件に達し、地元の教育委員会など後援企業のネットワークも広がっています。

地域の皆さまにこれまで以上に寄り添いながら、総合生活関連企業としてしっかり歩んでまいります。

藤野 悦郎

          

藤野 悦郎(ふじの・えつろう)

代表取締役社⻑

第一勧業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)入社。18年神鋼不動産取締役、21年副社長。福岡県出身。

※記事の内容、肩書などは掲載当時のものです

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