Sustainability

1990年代と現在で東京センチュリーの女性活躍はどう変わった? 管理職3名に聞いてみた

2021年11月10日

東京センチュリーでは、女性の管理職の比率向上や、ダイバーシティ推進に会社をあげて取り組んでいます。今回は東京センチュリーにまだ女性の総合職が少なかった1990年代に入社した、現在管理職の3名に、これまでのキャリアの歩みや、入社当時から現在に至るまでの東京センチュリーの変化、当社のダイバーシティや女性の活躍推進についてお聞きしました。

柏浦 淳子(かしうら・あつこ)

ストラクチャード・ファイナンス部長

1996年入社。現在の国内リース事業分野、国際事業分野に在籍。その後、ストラクチャード・ファイナンス部、広報IR部を経て、2021年4月から現職。

男枝 芳志子(おなぎ・よしこ)

金融商品営業部 JOL管理室 内室長

1996年入社。現在の国内リース事業分野、国際事業分野、スペシャルティ事業分野に在籍。途中、二人の子供の産休・育休も取得しながら、2019年より現職。

木村 美紀(きむら・みき)

資産営業部 第3グループ 次長

1992年、川鉄リース(2002年、東京リースと合併)に入社。入社当初より業務職として資産営業部に在籍。2021年4月より現職。

女性の「総合職」がまだ少なかった90年代

女性の「総合職」がまだ少なかった90年代

          

――今、日本の社会では女性の活躍推進が謳われています。皆さんの入社されたころはどのような様子だったのでしょうか?

男枝さん

女性でいわゆる総合職という存在が、私たちの入社当時は社会的にも少なかったですし、社内にもほとんどいませんでした。いたとしても、転勤のない地域限定総合職としての入社や業務職(一般職)としての入社が一般的で、私や柏浦さんもそうでした。

当時は、女性はアシスタントというような風潮があり、どこの会社でもほとんどそうだったと思いますが、女性は制服があったり、コピー取りや、お茶くみ、朝一番に皆さんのデスクを拭くという業務もありました。

木村さん

柏浦さん

そのころは、いわゆる就職氷河期で、学生はみんな苦労していたと思います。そんな状況もあって、特に女性は、地域限定の総合職か業務職を目指すしかない事情もありました。日本における女性の活躍は世界標準で見ると確かに遅れていますが、そのころと比べると大きく変わったと思います。

――キャリアの中でいろいろなご苦労もあったかと思うのですが、とりわけ皆さんの「転機」となった出来事は何かありますか?

柏浦さん

2003年にストラクチャード・ファイナンス部に異動し、パートナー企業とチームを組んで新規業務を立ち上げる仕事に携わりました。そのときの経験が自信につながり、現在も活きていると思います。銀行・証券会社や取引先と対等に交渉できるようになりたくて、いま振り返っても「よく頑張ったな」と思うほど必死でしたね。自分のやっていることが「仕事」として立ち上がっていくことにも誇りを感じていました。

男枝さん

私は入社の選考の時は業務職で受けていました。途中、「面接で地域限定総合職を受けてみないか」と誘っていただいたことが、まず最初の転機だったと思います。もう一つの転機が、入社6年目に、私は今でいうところのキャリアチャレンジ制度に応募して、当時の国際部に異動させてもらえたこと。当時の女性は異動も少なく、自分より後から入ってきた男性が先に異動していく姿を見て、私も一歩足を踏み出してみたかったんですよね。

――そうした制度を活用される女性は、当時は少なかったんでしょうか?

男枝さん

ほとんどいなかったと思います。今でこそ女性社員も海外で働いたり、転勤したり、ということは普通ですが、当時は基本的にありませんでした。

――木村さんは入社以来、ずっと資産営業部で働かれていたものの、合併という転機があったんですね。

そうですね。2度合併を経験しました。入社は合併前の川鉄リースでした。東京リースと合併するとき、私は吸収されるほうの会社でしたが、希望する人は全員引き続き新会社で勤務することができましたので、同じ部署のまま残ることを希望しました。合併するときは、特にシステムの変更がつきものなので、その時の苦労は思い出深いですね。

木村さん

          

――「同じ仕事を続ける」「専門性を高めていく」というのも、ひとつの選択ですよね。
今までのお仕事の中で、他に印象的だったエピソードや、今も糧になっている経験は何かありますか?

柏浦さん

パートナー企業との新規業務立ち上げに取り組んでいたときは、毎週のようにミーティングを行い、その後よく会食に行ったりもしていました。そのとき、一緒に働いていた上司から「同じ時間を共有することで、我々はチームを作っているんだよ」と言われたんですね。お客さまも含め、同じチームになった人たちと時間を共有し、新しい業務を作っていく。なんて素晴らしいんだろうと感じましたし、今でもそういった気持ちを大事にしながら仕事をしたいと思っています。

男枝さん

私は、入社試験のときに、当時はまだ少なかった総合職の女性の先輩と面談を行い、ランチをご一緒したんですね。その先輩は当時入社4年目でしたが、生き生きと働いている姿が、すごく格好良く見えたんです。当時の女性の社員の境遇というのは、先ほど言ったように「女性らしさ」みたいなものが求められる風潮が強かったのですが、そんな姿にあこがれて、どんなに仕事で厳しいことを言われても「女性だから」と言い訳にしない姿勢を心掛けてきました。

私は2度の会社合併時に、合併に備えた新しい準備を行うチームメンバーに選抜されたことは、いい経験になりました。2回とも指名してもらったので、上司から信頼は得ていたのかな、などと思いつつ(笑)。合併に関する業務というのは多岐にわたり、スケジュールも厳守、通常ではありえない業務で大変でしたが、乗り越えた達成感はありました。当時はとにかく自分にできることを一つひとつ取り組んでいこうと考えていましたし、仕事人生を振り返っても、目の前の仕事に集中していたら、いつの間にか今に至っていたような感覚がありますね。

木村さん

管理職として、多様なメンバーが活躍できる仕組みを作る

管理職として、多様なメンバーが活躍できる仕組みを作る

          

――「女性の活躍」や「ダイバーシティ&インクルージョン」という言葉も浸透しつつありますが、皆さんはどんなことを感じていますか?

柏浦さん

当社を含め、日本の企業が少しずつ変わりつつあることは感じています。ただ、海外はさらに先に進んでいるので、もっともっとスピードアップする必要もあるのかな、と。ただ、間違いなく当社内の意識は変わってきていると感じています。

変わりつつある中でも、日本社会ではまだまだ、これは女性が得意、これは男性が得意というような性差による固定観念があったり、その固定観念が業務や役割に結びついてしまう傾向も根強いな、とも感じます。

木村さん

男枝さん

そうですね。特に欧米では、それぞれの社員に求められる業務や役割が明確に分かれています。いわゆる「ジョブ型」と呼ばれる形態ですが、業務に対して採用したり応募があるんですよね。「あなたはこの役割」というのがはっきり決められていて、それを忠実にこなすことが評価につながるので、性差がキャリアや評価に繋がりにくい土壌があるように思います。

当社でも業務職と総合職との「差」というのは、そんなになくなってきているように感じます。それは良いことだと思う一方、変化の中だからこそ、両者のラインが曖昧であったりする部分もあり、戸惑う人もいるように感じています。それぞれのポジションがどのような職務でどのような待遇か、できるだけはっきり理解していくことも引き続き重要なのではと思います。

木村さん

男枝さん

日本全体で人手不足が深刻化することも予想されますし、社員一人ひとりの得手・不得手を理解し合い、スキルを活かし合って助け合う必要もあると思います。多様なメンバーに対して、いかに公平に成長できる機会をつくり、活躍してもらう場を示していくことができるか。そして、いかに個々人の能力や特性を活かした業務を割り当てられるかは、私たち管理職の課題でもあるように感じています。

インタビューイメージ

          

――ちなみに皆さんは、管理職として、部下の方々も増えたかと思います。皆さんは周りのメンバーとどのようにコミュニケーションをとっていますか?

柏浦さん

意見や相談が気軽にできる「フラットな組織づくり」を目指しています。管理職になっても相談しやすいような人間でありたいので、私から誰にでも気軽に話しかけるようにしています。私の尊敬する元上司の受け売りなのですが、新入社員の方にも役職でなく「さん」で呼んでくださいと伝えています。

今はコロナの影響でリモートがメインになっているので、コミュニケーションをとるのがなかなか難しいですよね。私は業務の都合上、出社することも多いですが、メンバーは週に一度出社するかしないかといったところ。行動予定表を確認して、出社するメンバーには声をかけてコミュニケーションをとる......というようなことを心掛けるようにしています。

木村さん

男枝さん

チャットやメールなど、テキストでのやりとりだけだと行き違いになることも多いので、電話など口頭でのコミュニケーションの大事さも実感しています。出社しているときは、周りにちょっと相談したり、愚痴を吐いたりも気軽にできますが、在宅勤務だと1人で溜め込んでしまいがちです。できるだけ、一日に1度は電話でコミュニケーションをとるようにしていて「あの件、なんだか大変そうだったね。大丈夫だった?」などと一言声をかけたり、何気ない雑談も大切にしています。声を掛けることで、「実はこんなことがあって...」と相談を受けることは多いです。

管理職としての孤独や決断、自問自答も楽しみながら

管理職としての孤独や決断、自問自答も楽しみながら

          

――管理職の苦労はもちろんあると思いますが、一方でやりがいや、おもしろみを感じていらっしゃることを教えていただけますか。

私は2021年の4月に次長になって、ようやく半年。手探りで、日々の業務をこなしていくのに精一杯という感じです。今回、柏浦さんや男枝さんのお話を聞いて、他の管理職の方々のお話も参考にしていきたいと思いました。

木村さん

柏浦さん

それはよかったです。私は部長になって、私自身が決断をしなければならないシーンが増えました。そういったときに、孤独感を覚えることはありますが、ネガティブな意味では決してなく、そこでの自問自答が、自分の糧になっているのではないかと思います。今までは得られなかったさまざまな情報が自分のところに入ってくるようになったことも大きいです。情報量の多さは、管理職ならではのポイントだとも思いますので、業務にも有効に活かしていきたいです。

男枝さん

管理職は、あらゆる面で矢面に立たなければならないので、正直、ドキドキの連続でもあります。でも、それを乗り越えていくことで、私自身だけでなくメンバーの成長にもつながるという、おもしろみがあるのだと感じています。また、メンバーと話をしていて「本当はこう思っているんですよ」と、本音がポロッと飛び出す瞬間がうれしいです。上からものを言うのではなく、一緒に考えることが、管理職として大事なことだと思っています。

          

         

――最後に皆さんが、今後、取り組んでいきたいことを教えてください。

柏浦さん

ストラクチャード・ファイナンス部で新しい業務を一から立ち上げたときや事業買収案件に取り組んだときは、ものすごく大変でしたが、その分、やりがいや楽しさもひとしおでした。今のストラクチャード・ファイナンス部のメンバーとも、そうしたやりがい、楽しさ、ときにはつらさを共有しながら、新しい業務を開拓していくことが目標です。

管理職としての新たな業務にまだまだ驚くことも多いですが、日々の学びを積み重ねて、管理職としての自信につなげていけたら、また、管理職として、メンバーからももっと信頼を得られるようになれればと考えています。

木村さん

男枝さん

私は今日、お2人とお話しして「ああ、自分は1人じゃないんだな」とあらためて勇気をもらいました。世の中には、まだまだ女性の管理職が少なく、同じ思いをしている人はどこかにいるのではないかと思います。社内で、いち管理職としても、他の社員やメンバーに対して、こうした場を社内にもっと作っていけたらといいな、と思います。壁にぶつかったときや、判断に困ったとき、同じような悩みを持つ人と話をすることで、視界が開けることもきっとありますから。

※記事の内容、肩書などは掲載当時のものです

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