Sustainability

意外と知られていない「SDGs」と「ESG」の違いとは? 東京センチュリーの取り組みとともにご紹介

2021年1月31日

最近、ニュースや新聞でもよく耳にする「SDGs(エスディージーズ)」と「ESG」というキーワード。ともに「環境」や「社会課題」に関わるワードですが、「何となく意味は知っているけど、いまひとつ違いがわからない......」という方も多いかもしれません。本記事では意外と混同されがちな「SDGs」と「ESG」、について、両者の違いと関係性を解説するとともに、東京センチュリーのSDGsの取り組みについてもご紹介します。

持続可能な社会を実現するため、世界規模で取り組むべき目標「SDGs」

「SDGs」とは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略です。2015年9月の国連サミットで採択された、2030年までに人類が理想とする"誰一人取り残さない、持続可能で多様性と包摂性のある社会"を実現するための目標です。

Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)

その前身は、2001年に採択された「MDGs」です。こちらは 「Millennium Development Goals」(ミレニアム開発目標)の略で、貧困や飢餓の撲滅など、主に途上国向けの目標でした。しかし、途上国の貧困や飢餓などの背景には、先進国による環境破壊など、世界中の国々が大きく関わっています。そこで、地球上の課題を、先進国を含めたすべての国、企業、地方自治体や市民社会、そこで暮らす一人ひとりの行動で解決しようと、「MDGs」を発展させるかたちで、「SDGs」の17の目標と169のターゲット(小目標)が定められました。そこには「ジェンダー平等を実現しよう」「働きがいも経済成長も」などといった日本社会にとっても重要なテーマが含まれています。

現在、世界中の企業で経営指標に「SDGs」を取り入れる動きが広がっています。義務ではなく、法的な拘束力もない「SDGs」に企業が積極的に取り組むのは、それが企業の長期的メリットにもつながるからです。「SDGs」で掲げられている環境やエネルギー、ダイバーシティーや労働環境などの問題解決に向けた取り組みは、事業を長期的に継続するうえでのリスクを減らし、企業イメージだけでなく企業価値の向上にもつながることが実証されつつあります。

また、環境・健康・エネルギーなどの社会課題を解決する製品やサービスへのニーズは高く、「SDGs」の達成に向けた取り組みは企業のビジネスチャンスをも拡大します。2017年の世界経済フォーラム(ダボス会議)では、「SDGs」を達成するための取り組みによって12兆ドルの経済価値が生まれると発表されました。そのため、「SDGs」は経済界からも大きな注目を集めるようになっているのです。

企業の成長、事業継続のために重要な「ESG」

「ESG」は企業の経営や成長において「環境」「社会」「企業統治」の3つの観点が重要だとする考え方。

「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」の頭文字をとった言葉で、「環境」とは二酸化炭素(CO2)排出の削減や環境保護、「社会」とは働く環境の改善やダイバーシティーの推進、「企業統治」とは公正・透明な経営や積極的な情報開示などを指します。

「ESG」は企業の経営や成長において「環境」「社会」「企業統治」の3つの観点が重要

さらに環境問題や社会課題の解決に取り組み、ガバナンス(企業統治)がしっかりした経営をしている企業に投資することを「ESG投資」といいます。

ESG投資は2006年に国連が発表した、「責任投資原則(PRI)での提唱がきっかけといわれています。投資家がESG投資をすれば、環境や社会に良い取り組みをしている企業が事業を伸ばし、悪影響を与える企業には資金が集まりにくくなります。民間の資金を活用することで企業を変え、それによって社会をも変えようという発想です。

「ESG」は、企業が持続的に事業を続けるうえでも重要です。企業が環境問題や社会問題をかえりみず、ガバナンスもままならない状態で短期的な利益ばかり追求すれば、時流に沿わない座礁資産を抱える懸念が発生するなど、いずれ経営に大きなダメージを及ぼす可能性は高くなります。そのため現在、多くの機関投資家がESG投資を重視しています。「ESG」が企業を評価する指標となり、「ESG」に関する情報を載せた報告書を公表する企業も増えています。

目標・ゴールである「SDGs」と手段・プロセスである「ESG」

このように「SDGs」も「ESG」も、ともに環境問題や社会課題を解決し、持続可能な理想社会を実現するための概念です。違いを挙げるならば「SDGs」が国や一般の人々も含めたあらゆるステークホルダーを対象にしているのに対し、「ESG」は主に経済界や企業を対象にしていると言えます。

目標・ゴールである「SDGs」と手段・プロセスである「ESG」

「SDGs」が「目標・ゴール」だとするなら、「ESG」はそれを達成するうえでの「手段・プロセス」ともいえるでしょう。

例えば、企業がプラスチック製ストローを廃止して紙製のストローを導入するなどの「ESG」を重視した取り組みを行うことで、「SDGs」の13番目の目標である「気候変動に具体的な対策を」や14番目の目標である「海の豊かさを守ろう」の達成に貢献することができるのです。

「SDGs」と「ESG」の違い

SDGs

・2030年までに理想の社会を実現するための17の目標
・国や企業だけでなく、個人を含めた全ての人が対象
・SDGs=目標・ゴール

ESG

・企業の経営や成長において「環境」「社会」「企業統治」の3つの観点が重要とする考え方
・主に、経済界や企業などが対象
・ESG=手段・プロセス

東京センチュリーの「SDGs」「ESG」に関する取り組み

実は東京センチュリーは、「SDGs」や「ESG」といった言葉がまだなかった時代から、その考えと同じ理念で事業を続けてきました。

東京センチュリーの「SDGs」「ESG」に関する取り組み

東京センチュリーの祖業である国内リース事業は、3R(リデュース・リユース・リサイクル)をともなう循環型ビジネスです。
2009年の合併以降もそのDNAを受け継ぎ、東京センチュリーの経営理念には、環境に配慮した循環型経済社会の実現に貢献することを掲げています。 事業が多角化した現在も、

  1. 低炭素社会への貢献
  2. 技術革新に対応した新事業創出
  3. 社会インフラ整備への貢献
  4. 持続可能な資源利用への対応
  5. 人材力強化につながる職場環境整備
    そしてこれらの重要課題を支える基盤として
  6. 多様なパートナーシップ活用による新たな価値創造

以上6つの重要課題を掲げ、「SDGs」や「ESG」に関わる取り組みを進めています。

地球温暖化対策を推進する「二国間クレジット(JCM)」

当社が取り組んでいる「二国間クレジット制度(JCM)」は、途上国で低炭素技術などを活用してCO2を削減した場合、削減されたCO2量の一部を日本の排出削減量として計上できる制度です。現在、日本はタイやインドネシア、フィリピンなど17か国をパートナーとして、この制度を構築しています。東京センチュリーにおける事例としては、タイ現地の共同事業者とパートナーシップを組み、優れた低炭素技術を活用した大規模太陽光発電事業などをスタートしています。

「車を通した安心・安全の取り組み」で、交通事故削減や環境問題対策を

「法人向けオートリース」「レンタカー」「個人向けオートリース」などの事業でも数々の取り組みを行っています。法人向けオートリースでは、独自に開発した通信型ドライブレコーダー「ドライブドクター」を活用し、交通事故や社用車の余剰車両を削減。また、コスト面から企業への導入が進まなかったEV車両を、災害時の非常用電源として活用するBCPの観点から提案し、企業への導入を大きく進めてきました。さらにレンタカーやカーシェアなど、所有から利用への転換を促進することで、サーキュラー・エコノミーの拡大にも貢献することができます。

東京センチュリーが取り組む今後の課題

今後、当社が取り組むべき大きな課題として、例えば「太陽光発電事業の終了後におけるパネルの利活用」「EV電池の二次利用」があります。

2012年、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)がスタートしたことにより、国内では大量の太陽光発電が稼働するようになりました。しかし、FITの期間が満了する2030年代には、その多くが発電を終了し、大量の太陽光パネルが産業廃棄物となってしまうため、使用済みパネル再利用の事業化が急務となっています。EV電池についても、もし電池の二次利用が可能になれば、導入コストが低下し、EV化促進にも大きくつながるのですが、いまだ有効な方法が確立できておらず、こちらも二次利用方法の確立を模索しています。

このような複雑な問題を一企業のみで解決することは困難を極めますが、東京センチュリーはこれまで培ってきたネットワークを生かし、多くのビジネスパートナーの皆さまと協力して、これら課題解決の方法を導き出していきたいと考えています。事業を通して「SDGs」「ESG」の取り組みを強力に進め、持続可能な世界の実現に今後も貢献していきます。

・東京センチュリーとSDGsについての詳細はこちらから
https://www.tokyocentury.co.jp/jp/sustainability/

※記事の内容、肩書などは掲載当時のものです

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