SUSTAINABILITY

東京センチュリーのサステナビリティ委員会委員長に聞く、ダイバーシティ時代に求められる理想のリーダー像とは?

Mar 17, 2021

サステナビリティにまつわるさまざまな取り組みに注力している東京センチュリー。
とりわけ「人材育成」が取り組みの中心となりますが、旗振り役が考える理想の人材像やリーダー像とはどのようなものなのでしょうか? サステナビリティ委員長の馬場高一取締役専務執行役員に、自身のキャリアを振り返ってもらいながら、サステナビリティ推進にまつわるさまざまな想いを聞いてみました。

「神は細部に宿る」。その言葉に込められた想いとは?

馬場高一取締役専務執行役員

東京センチュリーでは、企業としてのサステナビリティ実現に向けて5つの「マテリアリティ(重要課題)」を掲げています。その1つが「人材力強化につながる職場環境整備」です。2019年度から設置したキャリアデザイン室をはじめ、従業員意識調査・360度評価といった従業員のエンゲージメントを高める諸施策は、このマテリアリティに対応する取り組みであるとともに、東京センチュリーのビジネスを支え創造する人材を育む、会社の根幹となります。

こうした取り組みの陣頭指揮をとっているのが、サステナビリティ委員長も兼務する馬場さんであると思います。馬場さんは、現代のビジネスパーソンや人材育成のあり方にとりわけ強い思いを抱いており、特に今の時代に求められる「リーダー像」は、かつてと大きく変わりつつあると語ります。

「21世紀は変化の時代です。GAFAなど創業から十数年でグローバル規模に成長した企業が続出しており、新しいビジネスモデルも日々生まれています。働き方は多様化し、ギグワーカーという概念も出てきました。あらゆるものが多様化し、個々人の価値観や生き方も多様なものになる中で、部下を動かすためにすべてを指示する独断的なリーダー像は現代ではもう通用しません」

馬場さん自身、一人のリーダーとして常に大切にしていることがあると言います。

「部下をはじめ、社内のいろいろな声に耳を傾けることを心がけています。いわゆる『傾聴力』ですね。60年近く生きていると、どうしても自分の中に固定観念が出来上がり、新しい考えや価値観に追いつけなくなることがある。だからこそ、若い人の意見を頭ごなしに否定せず、謙虚に聞き入れる姿勢が大事なのです。固定観念にとらわれると、斬新でユニークなアイデアを知らぬ間に切り捨ててしまうことにもなりかねない。そうなると自分自身にとっても企業にとっても、大きな損失です」

打ち合わせ風景

神は細部に宿る—。好きな言葉として、馬場さんが挙げている言葉です。大局ばかりにとらわれ過ぎると、成長や前進につながるアイデアや声を見過ごしかねない。だからこそリーダーは常に、組織の“細部”にまで神経を張り巡らせる必要がある。そのためにも、なるべく多くの社員の声に耳を傾ける必要があるのだと語ります。

冒頭で挙げた360度評価や、従業員が自身のキャリア設計を相談できるキャリアデザイン室の設置にも「すべての社員が自由に意見を発し、それをできるだけ取り入れたい」という馬場さんの想いが汲み取れます。

どんなに忙しくても、部下の言葉に耳を傾ける。馬場流リーダーの心得

「傾聴力」を失わないために、馬場さんが普段から心がけていることがあると言います。

「どんなに忙しくても、来客や外出など調整できない予定が入っているときは除いて、部下から話しかけられたら必ず手を止めて、話を聞くこと。『忙しいから後にしてくれ』とは絶対に言わないようにしています。そうやって断ってしまうと、それ以後、部下は無意識にリーダーの顔色をうかがってしまいます。そうなると社員の声を聞く貴重な機会を減らすことにもなりますし、結果的に社内の風通しも悪くなってしまうでしょう」

打ち合わせ風景

もう1つ、馬場さんの日課になっている行動があります。それは退社の際、メンバー全員のデスクをぐるりと一回りしてから帰ること。ここ20年ほど続けている習慣だそうです。

「私が初めてリーダー職に就いたときからの習慣です。初めて持ったチームは総勢40名ほどで、全員の性格や日々の状況を把握しきれるか不安でした。そこで、少しでもメンバーのことを知るために、帰り際に全員のデスクを回って一声かけるようにしたのが始まりです。それを続けるうちに、なんとなく疲れが見えたり、顔色が悪かったり、メンバーの小さな変化を感じ取れるようになりましたね」

しかし、コロナ禍以降のリモートワークの普及により、そのような対面コミュニケーションが難しくもなっています。こうした状況下で、チームメンバーの声を拾い上げるにはどうすればよいのでしょうか。馬場さんは、次のようなことを心がけていると言います。

「オンラインのコミュニケーションでは、漠然と『大丈夫?』『何か困りごとある?』と聞いても、部下の本音は出にくいものです。漠然とした質問を投げかけるのではなく、『課題として進めているあの件の進捗は今どんな感じ?』など、具体的なトピックを挙げて状況を聞いた方が、メンバーの心の奥にある言葉は出てきやすいと思います」

加えて「結論を出すのがリーダーの仕事」だとも言います。

部下から何かを相談されたときには、その場で決断をする。判断に迷うような場合であっても、そこで何が問題となっているのか、どうすれば解決につながりそうなのか、ヒントとなるような何らかの材料を提供する。その上で、部下の成長のために10の解答を与えるのではなく、8の解答で本人に考える余地を残しておくことが重要なのだと言います。リーダーシップと育成の絶妙なバランスを取ることも、馬場さんの大きなテーマのひとつです。

若かりし頃、アメリカで得たサステナビリティの原体験

多様性を肌で感じたアメリカ在住時代。
多様性を肌で感じたアメリカ在住時代。

馬場さんにはサステナビリティを考える上での原体験があると言います。それは1990年代初頭、アメリカのロー・スクールで法律を学んでいたときのこと。馬場さんがまだ30代前半の時期でした。

アメリカの法体系は、日本と異なる部分があります。特に大きく異なるのが、連邦議会の制定する「連邦法」と、各州独自の「州法」が存在すること。極端な例ですが、仮にニューヨーク州在住者がテキサス州で自動車事故を起こし、事故相手がペンシルバニア州の人だった場合、どの法律に則って損害賠償をするのか、手続きや判断が非常に複雑になります。

「アメリカはこういった複雑な社会状況の中で歴史を築いてきた国です。アメリカで法律を学ぶ中で、こうした国家の成り立ちこそが、アメリカという国の強さの源泉だと感じたのです。法律だけではありません。人種や価値観、国籍など、さまざまな文化的バックグラウンドがぶつかり合う社会的背景があり、その中で都度、利害を調整し、解決策を見出してきたからこそ、これだけ大きな国になったのだと」

多様な人々が暮らし、多様な文化が重なり合っている。それこそがアメリカという国の特徴であり、大きな強みでもある。そのようなことを肌で感じる機会になった、と当時を振り返ります。多様な価値観を混ぜ合わせたときに生まれる強さ。若い頃のアメリカでの経験が、ダイバーシティやインクルージョンなど、現在、東京センチュリーで馬場さんが注力しているサステナビリティの取り組みにも大いにつながっています。

社員には前を向いて挑戦して欲しい。そのためには自分も全力を尽くす

そんな馬場さんに若い人々へのアドバイスをたずねると「できれば、たくさんの本を読んでほしい」という答えが返ってきました。馬場さんの読者家としての一面が顔をのぞかせます。

「私たちが恐れるべきものは、自分の考えや価値観が固定化されていくこと。考えが固定化されたら、新しい発想やアイデアを受け入れられなくなる。だからこそ日々、自分の知らない知識を意識的に取り入れていかなければいけません。本を読むことは自分の知らない世界や別の人の考えに触れる、格好の機会になります」

馬場さんおすすめの一冊、「カンの構造  発想をうながすもの」(中山正和著)。
馬場さんおすすめの一冊、「カンの構造 発想をうながすもの」(中山正和著)。

馬場さんには一冊の愛読書があると言います。評論家の中山正和氏が書いた『カンの構造 発想をうながすもの』という本です。

「どんなことが書かれているかというと、人間の脳には、たとえ自分が忘れていると思っていても、一度見たものや触ったもの、経験したことの情報が奥深くのところにずっと残っている。そして何か課題に直面したときは、そうした奥深くに眠っている記憶も総動員して、対策を考えているらしいんです。この本に則るなら、日頃からたくさんインプットをしておくと、何か課題に直面したとき、自分の中にあるより広い世界の中から解決策を導き出せることになります」

インターネットやSNSなどから手軽に情報を得られる時代だからこそ、著者が精魂込めて書いた密度の濃い文章と向き合うことが重要。馬場さんのデスクには、これまでに読んだ本や最近興味のある分野の本が何冊も並んでいます。この「馬場文庫」に並ぶラインナップを見ると、頭の中を覗くようでおもしろいと語る社員もいるようです。

取材の最後、好きな作家の一人だという寺山修司の言葉を引き合いに出しながら、少し照れるように馬場さんは東京センチュリーの社員へのメッセージを語ってくれました。
「寺山修司が遺した言葉に『振り向くな、振り向くな、後ろには夢がない』という一節があります。過去を見ても夢はないので、前を向かなければならない。そんな意味の言葉です。変化の激しい時代ですから、挑戦すれば失敗することだってあります。それでも、へこたれず前を向くことが大事なのです。そのためにも、社員のみんなが挑戦し続けられる環境を作っていく。それが私の役目でもあり、会社のサステナビリティにもつながるのだと思います」

「その挑戦に、力を。」という東京センチュリーのコーポレートスローガン。この言葉を体現できるように、社員の挑戦を後押しする環境を作っていく。馬場さん自身にとっての挑戦はこれからも続いていきます。

馬場高一(ばば・こういち)

取締役専務執行役員 経営企画部門長

東京センチュリーのサステナビリティ委員会委員長として、さまざまな取り組みを推進。

※記事の内容、肩書などは掲載当時のものです

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